昔から家は周囲にあるもので
つくられてきました。
木と石と土と草で。
本能と環境がつくりあげたそれぞれの郷土。
今もなお人々を魅了してやまない
世界中の家々。

家には数値化できない居心地があり、
性能で全てを測る事はできません。
休日は日向ぼっこして草むしり。
それを促す深い軒の出と雑木の庭。
そうしたらきっと良い家になります。

良い家の体現とは何か。

先ず風土。
広大な平地と山々、太平洋に面する茨城の自然。
陰影に美を見出した日本の文化。
影に富む軒の出と急勾配の切妻屋根は、
雨の多いこの国にとっての必然。
それらの風景はいつしか、
私たちの懐かしさを喚起する形象となりました。

加えて地元の無垢材。
身近なものの心地よい手触りに人は安堵します。
懐かしい、落ち着く、ずっと居たい。
自分に合った居場所ぐらい、
数値化せずとも直感でわかります。

末尾は人の手。
そこには身近な素材を特厚で用いる
職人の暗黙知があります。
次世代への贈る文化の結晶。
細部には手仕事の温もりが、
空間には唯一無二の空気感が宿ります。

人と場所の数だけある最適解に癒しを。
遥か遠い昔からある家の原型、
いにしえを目指して。